手島龍一
(書評)インテリジェンス 武器なき戦争/手嶋 龍一・佐藤 優
項目
序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生
第1章 インテリジェンス大国の条件
第2章 ニッポン・インテリジェンスその三大事件
第3章 日本は外交大国たりえるか
第4章 ニッポン・インテリジェンス大国への道
採点
85点
(書評)インテリジェンス 武器なき戦争
外交をするに当たって、インテリジェンス(情報)を扱うことは必須条件である…本書はそういったテーマの下、手嶋 龍一氏・佐藤 優氏の両インテリジェンスオフィサーが国際的または歴史的な外交インテンジェンスの話題を出しながらの対談形式で進められていく。
「インテリジェンス入門書」と言う触れ込みだがまさにその通りで、というのもわれわれ一般人が表面的に情報を受け取っている限りでは分かりえない裏の事情が彼らインテリジェンス分析官には分かり、そのインテリジェンスから分析した情報を用いて、外交を運ぶ重要さを初心者に分かりやすく説いている。
さらに、その重要さを説く際の事例が豊富なのである。例えば、第二次世界大戦期に日本で暗躍した二重スパイであるリヒャルドゾルゲについての事情や、はたまたイラク戦争における各国の動きをインテリジェンスを中心に追ったり、とにかくわれわれではとても思いもつかない分析を展開しインテリジェンスの魅力を220ページに渡って語っている。
また、両人は日本がインテリジェンス弱国である事を心から憂れいている。それは、本書一番の主張であるところのインテリジェンスに携わる人材を育てよと何度も繰り返しているところからも読み取れるが、近い将来お二方が先陣を切って行動に移すのではないかという期待も持たせてくれる。
しかし、本書の情報をすべて鵜呑みにしてはいけない。というのも両人が言っているようにこういった公に出る情報は、二重にも三重にも仕掛けを施してあるものだからであるが、本書におけるその仕掛けを見抜くのも面白いかもしれない。
(感想)インテリジェンス 武器なき戦争 に続く
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