企業参謀/大前 研一

posted in 00:38 2007年01月17日 by 涼微
Comments(2) TrackBack(1)   経済・経営  書評・本 このBlogのトップへ 前の記事 次の記事


採点
75点

内容
大前研一氏が若かりし頃に書いた経営戦略論。

読んだ動機
大前氏の経営本を読みたかったから。

こんな人にお勧め
・経営戦略の古典を読みたい人。
・大前氏の初期の書籍を読みたい人。

内容のレベル
    7

本書・著者(大前研一氏)について

本書は1975年、当時大前氏33歳の時に初版が出たのだが、その年代にこの内容の文章を書いたにしては、えらく進んだものであった。例えば、今は主流になっているプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM…市場成長率を縦軸に市場占有率を横軸にし、ある製品がその表のどの位置にあるかによって、戦略を決める手法)をこの当時に大いに取り上げている点や、本書で本人が語っていたのだが、石油ショック後、大半の人は景気が元に戻ると思っていた中、大前氏は、その後の日本経済の低調を予測していたのだとグラフに示していた事等が挙げられる。

また、本書ではこのPPMの説明や売上高等の数字を分析すると言う手法の説明を前半に論じていたのだが、後半で実際に大前氏がその手法を使って図解付きで戦略を論ずるという項目もあり、前半の手法をどう使ったらいいのかよく分かったので、これ一冊で基本的な戦略はかなり理解することが出来る。

さらに、最後の章には戦略家の心得とでも言うべきものもあった。当時大前氏がコンサルティング会社マッキンゼーに入社して4年にしてここまで、体系付けられた戦略や心得を文に出来たというのは、やはり並々ならぬ努力と知能の賜物であろう。

ところで、後年彼は、大学時代に先行していた、原子力の分野で論理的思考を磨いたことで、後に企業コンサルティング業で必要不可欠なその論理的思考を十二分に発揮したのだと語っている。

さらに、先にも述べたのだが、氏には先見性も備わっているといえる。経済を分析することにおいてこの先見性があることは、かなり有利な特質である。なぜなら、時代の先を読んでそれに備えて行動することこそまさに、経済人が求められている姿であるといえるからである。

もちろん初版が1975年ということで、今の時代にとっては割と当たり前の事であるし、なにより大前氏初期の作品ということで読みにくい部分が多々存在する。しかし、それでもなお大前氏の当時の思考を見てみたい人や、経営戦略の古典を読んでみたい人には、ぜひお勧めの一冊である。

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1. 企業参謀  [ shibata(hi) shokudou ]   2007年01月17日 00:53
大前研一氏の著書。1985年にこの本を書いているところがすごいなぁ。 2日ほど...

この記事へのコメント

1. Posted by his   2007年01月17日 01:06
5 コメントとラックバックどうも。

本書は、既に古典ですけど読み返すと先見性に感動しますよね。

またどうぞー。
2. Posted by 涼微   2007年01月17日 11:22
コメント&TBありがとうございます。

大前氏の才能の片鱗が窺えますよね!

今後ともよろしくお願いしますm(__)m

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