論理トレーニング101題/野矢 茂樹
posted in 14:53 2006年12月26日 by 涼微
採点
80点
内容
論理的な文の書き方を、問題→解答形式でトレーニング
項目
1 議論を読む
・接続表現に注意する
・議論の骨格をつかまえる
2 論証する
・論証とはどのようなものか
・演繹の正しさ・推測の適切さ
・論証を批判的にとらえる
読んだ動機
論理に興味があったから
こんな人にお勧め
文章を論理的に展開したい人
内容のレベル
7
論理的文章のススメ
(概要)
まず、本書の初めは、接続詞の重要性についてとくと説いていた。それは、なぜなら接続詞を正確に理解することで文章の骨格を掴めるからだそうである。
本書によれば、接続詞の種類は、第一にある文(以下同)AにBを補足する接続詞、第二にAによりBを説明する接続詞、第三にAからBを導く接続詞、第四にAからBに転換する接続詞に大まかに分類できるそうである。そして、それを捉える事が出来ると、その文章の中心やある文と文の関係性が一目瞭然なのだそうだ。
この主張は、本書の問題でトレーニングしていくうちにだんだん身に沁みてきた。そこで、文章を書く際に接続詞に気を付けてみると、意外と間違った覚え方をしていることにより、誤った接続詞を多用していることに気が付いた。おそらく、かなりの数文章を書いている人でも、正しいと思い込んでいる接続詞を使って、ある程度間違っているものと思われる。
次に本書では、演繹と推測という形式の違いを説明していた。
これは、簡潔に言えば演繹とは、ある仮説が正しければそこから導かれる結論も正しい文章のことであり、一方、推測とはある仮説が正しくてもそこから導かれる結論に突っ込みの余地がある文章の事である。
もちろん、それぞれにまた、枝分かれした細かな形式があるのだが、大まかに分けるとこの二つなのだそうである。
(論理的文章の有効性)
さて、以上を踏まえつつ論理的文章の有効性を勧めていこう。
結論から言うと、論理的文章とは難しい表現や漢字を使い、難い文章を書くことではなく、接続詞を適材適所に利用し、また文の論理的形式も正しいものを指すのである。
つまり、形式の上では、誰が見てもしっかりと筋が通っていると判断できる文とでも言い換えられるだろうか。それによる有効性は、形式の上では反論の余地がないという事である。要するに、文と文との繋ぎや仮説から結論に至る過程が完璧であるから、文章の中身以外に突っ込みどころがないのである。
その点については、寧ろ形式がしっかりした文にとっては、仮説に対する裏付けが取れているかどうかという事の方が重要であると言い換えることが出来るであろう。
しかし、論理的に書くという事においては、まず形式がしっかりしてないと話にならないのではないだろうか。裏づけつまり内容がしっかりしているかどうかは、書くという事より寧ろ、研究・調査を綿密にすることで決まってくるものである。
以上のように述べてきたが、要するに、まず本書を読んで論理的な書き方の形式を会得してもらいたい。裏づけつまり内容については、興味のあることを熱心に調べ上げたその成果を記せば良いのだから。
(本書を読む・読んだ方へ)
素人目ですが、なんとなく解説に疑問な点がいくらかありましたから、本書を読んで納得いかなくてもそんなに気にすることでもないと思われますよ。たぶん…
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