暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで/サイモン・シン(訳)青木 薫

posted in 12:55 2006年12月20日 by 涼微
Comments(2) TrackBack(1)   書評・本  科学・数学 このBlogのトップへ 前の記事 次の記事


採点
70点

内容
暗号についての作成・解読のドラマ

項目
第1章 スコットランド女王メアリーの暗号
第2章 解読不能の暗号
第3章 暗号機の誕生
第4章 エニグマの解読
第5章 言葉の壁
第6章 アリスとボブは鍵を公開する
第7章 プリティー・グッド・プライバシー
第8章 未来への量子ジャンプ

読んだ動機
知る人ぞ知る長門さんがアニメで読んでたから (笑

こんな人にお勧め
1、暗号の観点からの歴史について興味がある人
2、暗号の基礎を知り、作りたい人
3、古代文字の解読方法が知りたい人

内容のレベル      
    6        

暗号について
暗号については、この本を読むまでは無知で、特に興味があったわけではないのだが、暗号というものは知ってみるとかなり奥が深いものである。何故なら、暗号の作成はそもそも、相手に解読されないようにしようとしているので、世界のあらゆる知能や技術を結集して作っていると言っても過言ではないと言えるからではないだろうか。

暗号と言えばなんとなく「忍者」を思い出させるのだが、みなさんはどうだろうか?しかし、それは単に日本人的な発想であると本書から思い知らされた。なぜなら中世ヨーロッパや世界大戦などのワールドワイドな事例を扱っているからである。しかし、暗号の需要を考えてみればそれは当たり前のことである。というのも、暗号は、敵に文章の中身が知られたくない度合いの高さが需要と正に相関していると思われる。だから、日本における敵国との戦争の数及び規模と世界における戦争の数及び規模を比べればどちらが暗号に対する需要が高いか自ずと分かるだろう。

さらに、暗号における最大の問題である鍵の配送の問題について言及しておこう。この問題は、暗号を解く鍵を他の人に盗み見られることなく、ある特定の人に渡したいという思惑から発生するものである。しかし、これがなかなか厄介な問題で、直接配送すには時間がかかるし、電波を使えば、途中で盗み見られる確立がかなり高い。

そこで、本書では一方向関数を紹介している。これは、簡単に言えば、ある元の数字を使い計算して結果を出すのは簡単だが、その結果から元の数字を出すのが難しい関数である。それを応用すると途中で盗み見られても元の文字列が分からない文字列が出来上がるというわけである。

しかし、この方法は単に現代で解読出来ないだけかもしれないので、これからは、量子を使った暗号作成&解読の時代になっていくそうである。

ところで、この本の醍醐味は何といっても暗号・古代文字の解き方を解説しているところである。それは、暗号の文中に出てくる文字数を調べたり、数学的な計算をしたりする。先にも言ったが、暗号とは、人を惑わせようとして作った文字列であるから、これを解読するには、言語学・考古学・数学などのかなり深い知識が必要となる。その知識を応用して解読していく過程は痛快である。

みなさんもこの本を読んで友人や恋人と、日々のやり取りを暗号文でやり取りしてみてはどうだろうか?なんとなく知的水準が上がったそんな気がするかもしれない。

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1. 『 暗号解読 』 サイモン・シン  [ 本を読もう!!VIVA読書! ]   2006年12月20日 22:00
“I love you.” というメッセージを “ a→b b→c c→d” と次のアルファベットにして暗号化し、書き換えますと   ↓ ↓ ↓ “jmpwfzpv”  となります。 この暗号をどう解読すればよいのでしょう。 実はこれが、暗号の初歩の初歩...

この記事へのコメント

1. Posted by VIVA   2006年12月20日 22:02
はじめまして、拙ブログリンクを貼っていただいた上のトラックバック、ありがとうございました。

これからも同じような本がありましたら、お付き合いして下さい。よろしく。
2. Posted by 涼微   2006年12月21日 20:39
コメント&トラックバック有り難うございますm(__)m
しかし、トラックバックだけでコメントをいただけるとは、さすがにランキング1位だけあって他の人とは器が違いますね! (笑
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。

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