佐藤優

(書評)インテリジェンス 武器なき戦争/手嶋 龍一・佐藤 優

posted in 23:29 2007年03月01日 by 涼微
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項目

 序章  インテリジェンス・オフィサーの誕生
第1章 インテリジェンス大国の条件
第2章 ニッポン・インテリジェンスその三大事件
第3章 日本は外交大国たりえるか
第4章 ニッポン・インテリジェンス大国への道

採点

85点

(書評)インテリジェンス 武器なき戦争

外交をするに当たって、インテリジェンス(情報)を扱うことは必須条件である…本書はそういったテーマの下、手嶋 龍一氏・佐藤 優氏の両インテリジェンスオフィサーが国際的または歴史的な外交インテンジェンスの話題を出しながらの対談形式で進められていく。

「インテリジェンス入門書」と言う触れ込みだがまさにその通りで、というのもわれわれ一般人が表面的に情報を受け取っている限りでは分かりえない裏の事情が彼らインテリジェンス分析官には分かり、そのインテリジェンスから分析した情報を用いて、外交を運ぶ重要さを初心者に分かりやすく説いている。

さらに、その重要さを説く際の事例が豊富なのである。例えば、第二次世界大戦期に日本で暗躍した二重スパイであるリヒャルドゾルゲについての事情や、はたまたイラク戦争における各国の動きをインテリジェンスを中心に追ったり、とにかくわれわれではとても思いもつかない分析を展開しインテリジェンスの魅力を220ページに渡って語っている。

また、両人は日本がインテリジェンス弱国である事を心から憂れいている。それは、本書一番の主張であるところのインテリジェンスに携わる人材を育てよと何度も繰り返しているところからも読み取れるが、近い将来お二方が先陣を切って行動に移すのではないかという期待も持たせてくれる。

しかし、本書の情報をすべて鵜呑みにしてはいけない。というのも両人が言っているようにこういった公に出る情報は、二重にも三重にも仕掛けを施してあるものだからであるが、本書におけるその仕掛けを見抜くのも面白いかもしれない。

(感想)インテリジェンス 武器なき戦争 に続く

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(人物探求)佐藤 優

posted in 22:27 2007年02月05日 by 涼微
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佐藤優

 

 

佐藤優氏

 

 

自壊する帝国/佐藤 優 を読んでみてどんな人か興味を持ったので、遅蒔きながら少し調べてみた。

(Wikipedia)による経歴

同志社大学神学部卒業。同大学院神学研究科修了後、1985年にノンキャリアの専門職員として外務省に入省。1988年から1995年まで在露日本大使館三等書記官。モスクワ大学留学を経て、旧ソ連での外交情報収集ならびに情報分析にその能力を発揮する。

だそうだ。この文章から疑問に思うことは神学部と外務省に何の関係があるのか?ということだろう。実はこれには関係性は無く、当の本人によるとたまたまだったそうだ。しかし、神学部で習った思想・思考法が後々役に立っているのは明白であり、というのも、彼はソ連で外交官としてソ連の内部情報を収集し、日本に送ることが仕事だった。情報を収集することにおいて人脈というのが一種のキーワードになってくるが、彼の神学で培った論述法や頭の良さはソ連の知識人に受け入れられることとなり、着々と人脈を広げていった。また、モスクワ大学の哲学科の講師を勤める際にもその学歴を発揮している。

さて、その後2002年逮捕されたのであるが容疑は下記の通りである。

支援委員会をめぐる背任

・2000年1月にガブリエル=ゴロデツキー・テルアビブ大学教授夫妻を日本に招待したとき、

・同年4月にテルアビブ大学主催国際学会「東と西の間のロシア」に7名の民間の学者と外務省から6人のメンバーを派遣したとき、

この二つの費用を、外務省の支援委員会から違法に引き出して支払った疑い。

北方領土支援にからむ偽計業務妨害

2000年3月に行われた国後島におけるディーゼル発電機供用事業の入札で、鈴木宗男の意向を受けて、三井物産に対して違法な便宜を図ったり支援委員会の業務を妨害した疑い。

この逮捕は鈴木宗男に関わった人間を悪者にしようという、いわゆる『国策捜査』による逮捕というものだそうだ。政府に反抗する者を逮捕することはよくある事なのらしいのだが、そんな恐怖政治が現代日本で横行しているというのも驚きである。

では、そもそも裏方業務に徹していた彼の名前を最近聞くようになったのはなぜなのだろうか?

それは、2005年3月に発売した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』がノンフィクションとしては異例の7万部を超えるベストセラーとなったことで、新潮ドキュメント賞および講談社ノンフィクション賞の最終候補作となるも落選したが、第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞することとなり人々に佐藤氏の職歴や事件の背景を知らしめることとなったからである。といってもわたし自身は少し前に知ったので約一年半の差があるのだが、これは遅い方なのであろう。

わたしはまだ自壊する帝国を読んだだけなので、ソ連崩壊期における彼の行動を垣間見ただけなのだが、今後『国家の罠』と『インテリジェンス――武器なき戦争』を読み、彼のより深い思考体系はたまた逮捕の経緯をより深く追ってみたいと思っている。また、彼の生き方を追うことは、第一級の知識人の考え方を学ぶということとほぼ同義であり実に興味深く、万人にとって価値のあることだと思われる。是非この機会に彼の著書を一冊読んでみてはいかがだろうか。

主な著書 

・2005年3月 『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』

・2005年9月 『国家の自縛』産経新聞出版

・2006年3月 『国家の崩壊』

・2006年5月 『自壊する帝国』

・2006年7月 『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』

・2006年9月 『北方領土「特命交渉」』(鈴木宗男と共著)

・2006年11月 『インテリジェンス――武器なき戦争』(手嶋龍一と共著)

・2006年12月『ナショナリズムという迷宮 ラスプーチンかく語りき』佐藤優、魚住昭

・2006年12月 『獄中記』岩波書店

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自壊する帝国/佐藤 優

posted in 17:33 2007年02月02日 by 涼微
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内容(「BOOK」データベースより)

ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。そして、ゴルバチョフの「改革」は急速に国家を「自壊」へと導いていったのだった―。ソ連邦の消滅という歴史の大きな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか。

採点

90

項目

序章 「改革」と「自壊」
第1章 インテリジェンス・マスター
第2章 サーシャとの出会い
第3章 情報分析官、佐藤優の誕生
第4章 リガへの旅
第5章 反逆者たち
第6章 怪僧ポローシン
第7章 終わりの始まり
第8章 亡国の罠
第9章 運命の朝

内容のレベル     

         8

(書評)自壊する帝国

そもそもわたしが本書を読んだ理由というのは、特にロシアの歴史に興味があったわけではく、ただ佐藤優氏の著作を一冊読んでみようと思い手にとってみただけであった。しかし、話題に違わず本書もなかなか刺激的な書だったのでまず、その特徴を記述していこう。

本書は佐藤氏が崩壊前後のソ連において、どんな人物と関わり、どの様な行動を取ったのか、という事を記述したノンフィクションの歴史物である。そのストーリーおいて、主線で展開されていることにおいては、「人脈」というのが一種のキーワードになってくると思われる。というのも、本書におけるソ連崩壊の歴史的記述については、おそらく類書が結構あり、(わたしとしては知らない事だらけだったが)特に目新しい内容でもないと思われ、では何がこの本の独自性かというと、佐藤氏の「人脈」に関わることではないかと思われたからである。

さて、その「人脈」形成において一番貢献したのは、頭がきれることを前提とした、氏の宗教に対する知識であろう。そもそも彼は同志社大学で、特に東欧の神学について勉強しており、その歴史的背景に対する興味・知識が随所に発揮されていた。というのも、彼の人脈を広げるキーパーソンとなったカザコフという人物も彼がソ連赴任中世話になった大学の哲学科で知り合ったし、後々会う人物にも哲学的素養を持つ人物が大勢いた。この事実は、かの時代の無神論であった共産主義のソ連でさえ宗教観を持っているのだから、他の諸外国においてはそういった思想が根付いており、日本の思想観と大きなずれがあることを再認識させられた。

また、一般的にいうと「人脈」形成においてはいかに相手と親しく出来るかどうかが大いに関わっているのではないだろうか。しかし、佐藤氏本人によれば彼は、人見知りが激しいそうなので、それを表に出さず、いかに懇切丁寧に要人と接してきたかが窺えるものである。

また、ソ連の人々に根付いた考え方が、いかに当時の激動と関わっているかも察することが出来る。特にこの時代は当時のソ連の民族性がいかんなく発揮されていたことであろう。といのも、本書にも書いてあったが、人は危機的状況に陥ると本能が剥き出しになるので、ということは当時の状況からして人々に根付いていた思想が色濃く出たのではないかと思ったからである。

さらに、ゴルバチョフ氏の評価は日本と違いかなり悪いという事などの、情報量の差異や方向性の違いによる認識のずれが生じていることも思い知らせれた。それは、当時の一線で見てきた人との認識のずれを窺い知ることが分かる一端である。

さて、本書を総論すると歴史的事実や民族性はある程度の水準の知識を持っている者ならば目新しいことはないであろう、しかし、一級の頭脳を持つ佐藤氏の視点からのソ連崩壊前後の背景や洞察、要するに当時のソ連に深く関わった日本人の一人として、提供する歴史的背景や彼の近辺を含めた当時の物語を味わいたい人は間違いなく必見の一冊である。

私的感想

いやはや、本書はわたし程度の知的水準では、「インテリジェンス」との格の違いを存分に見せつけられる一冊であった。特に、哲学・思想・政治・外国語・民俗学・社会学・歴史etcのあまりの知識の足りなさに知的欲求を大いに刺激させられることとなった。そういった観点からも必見の一冊である。というのもわたしは、途中でグーグル検索をして、後々読もうと思う関連書籍を探し回った程である。

ところで、上記のようにいまいち知識地盤が弱いことと、さらに横文字ネームに慣れていないことも手伝って、読破するのに時間が掛かる人もいるから少し注意が必要である。

それにしても会話が「〜か」で終わるのがたまに気になる (笑
例えば、「それは本当か」とか「どういう意味か」とか、「〜か」が何回も続くので、たまには語尾ぐらい変えればいいじゃないかと思ったが、まぁ内容がいいので細かいことは気にしない様にしておこう。

しかし、これは、国家の罠とインテリジェンスも間違いなく読むことになりそうな読後感だなあ^^;

興味深い関連ブログ

その後の佐藤優 その1 『自壊する帝国』

太田述正コラム

日暮れて途遠し 

manuke.com 

お菓子を片手に、日向で読書♪  

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