読書談話

知識のまとめと案内としての読書談話 第1話 数学は言葉・ヒルガードの心理学・英語の語源・苫米地英人・親が子に与える影響について

posted in 02:55 2011年03月04日 by 涼微
Comments(0) TrackBack(0)   読書談話  このBlogのトップへ 前の記事 次の記事
新一と涼子の読書談話はこちらに移転しました

前の話 - プロローグ

新一 : 今日は、図書館で数学は言葉ヒルガードの心理学英語の語源事典を借りた後、本屋でまずは親を超えなさい!を立ち読み、といっても実は書店に椅子があったから座り読みなんだけど、をしてきたんだけどどの本も面白そうなんだ。読んでみる?

涼子 : ふ〜ん、どんなところが面白いの?

数学は言葉―math stories
数学は言葉―math stories
新井 紀子
generated by あま楽
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


新一 : まずは、数学は言葉。この本の目的は数学を第二言語として身につけるということなんだけど、その目的の通り数式や論理式を日本語でわかりやすく解説していてとっつきやすい。今まで数式だらけの数学本を見てその分からなさに辟易していた人にとってはこの本を読めばいい取っ掛かりになるんじゃないかな。

涼子 : そうよね。なぜ数式だらけの羅列が分かりづらいかといえば、それぞれの記号がどんな意味を持っているかイメージができないからといえるわよね。そしてそういった、普通の人にとっては分かりづらい記号を翻訳して日本語で分かりやすく説明しようという試みの本ってあまり見つからないよね。そういえば、この本は前に小島先生がブログで紹介しているのを読んだことがあって私も面白そうだと思ってたのよ。後で貸してよね?

新一 : おっけー。

ヒルガードの心理学
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


涼子 : ヒルガードの心理学は前に読書猿の人が一人で読めて大抵のことは載っている教科書の心理学のところで挙げているのを見たことがあるわ。このページに影響されたんでしょ?

新一 : そうそう、あのページでも本命で挙げられていたように、とにかく心理学に関する項目の網羅性が凄い。知覚・意識・学習・記憶・言語・感情・知能・人格・健康から心理的な障害まで、人間の活動に興味や関わりがある人なら心理学の勉強をするのって結構楽しいと思うし、その知見があれば活動のパフォーマンスも上げることが出来ると思うんだ。

涼子 :  確かにそうかも。人間個人だけでなく組織や集団を上手くコントロールする際にも心理学の知見は役に立つかも知れないわね。もっとも、そこまで対象を広げてしまうと今度は経営学の「マネジメント」の手法も使えるんでしょうけども。それにしても、日本語版は一つ前の版のうえに絶版になっていて相変わらず高いわね。手元に置いておく必要があるなら断然 英語版ね、英語の勉強にもなるし。聞くところによると読みやすい英語で書かれているらしいわ。

英語の語源事典―英語の語彙の歴史と文化
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


新一 : そうだね。それでもう一冊借りてきたのは、英語に関する本で英語の語源事典という本なんだけど、この本に関してはまだあまり目を通してないから何とも言えないんだけど、僕は最近、というか前にも話したことがあると思うんだけど、英語の単語を効率的に覚えるには単語間に法則を見いだすことが重要だと思うんだという話、覚えてる?。

涼子 :  もちろん覚えてるわよ。その話は私が語源でわかった!英単語記憶術を読んだという話をしたところから始まったんじゃない。

新一 : そうだっけ?

涼子 :  そうよ。当時、私は英単語を覚えようとiPhoneでボキャブラキングをやっていたのだけど、このアプリで単語を覚えるのはあまりに力業すぎて効率が悪いから、どうしたらいいんだろうと考えたすえに、英語には語源という共通の性質があることを知って語源でわかった!英単語記憶術を買ってみて少し読んだのよ。けど、当時は途中でやめてしまったから丁度もう一度挑戦してみたかったところよ。

語源とイラストで一気に覚える英単語 (アスカカルチャー)
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


新一 : そうなんだ。実は、語源プラスイラストを活用したらもっと覚えやすくなるんじゃないかと、語源とイラストで一気に覚える英単語も注文して今配送中だから到着が楽しみなんだ。語源学習ってどこまで効果があるんだろうね。

涼子 :  どうなのかな。でも確実に一つ言えることは何か大量に覚える必要がある時は意識的にしろ無意識的にしろ、何らかの法則を活用しないと時間が掛かってしょうがないということよね。

新一 :  そうだよね。それと、覚える対象に関するイメージをいかに広げられるかということも重要だよね。だから書店でイラスト付きで効率よく英単語を覚えられる本を探したんだけど、あまり見つからなくってその中でもいいかなと思えた本が脳単マッピングという本。この本は、1テーマに一つの長文が掲載されているんだけど、その中から単語をいくつか抜き出してその単語とそれに関連する単語にカラー写真を付け、そして、長文のストーリーと単語のイメージをひも付けて覚えてしまおうという感じのコンセプトらしいのだけど中々面白いなと思ったね。それで、この本の著者が苫米地英人さんだったから、ついでに思い出して前から読もうと思ってたまずは親を超えなさい!を立ち読みしたってわけなんだ。

涼子 :  ふ〜ん。苫米地英人さんといえば、前に怪しそうな人だなと思っていくらか調べたことがあるわ。それでいくつか分かったことは、その怪しさは確信犯的にやっているらしいということ、その確信犯的というのは彼はもっと学術的で難解な文章の本を書こうと思えば書けるのらしいけれど、それでは読む対象が絞られてしまう、だからわざと多くの人が興味をもつであるだろう書き方をして自分の文章を読ませることで、彼は洗脳について詳しいのだけど、皆の成長過程において受けてきた洗脳を解いて、危ない方向に進まにようにそして生きたいように生きたらいかがですかという提案をしているみたいなの。

まずは親を超えなさい!~最新の脳科学と認知心理学を基にした自己実現プログラムTPIE公式ブック~
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


新一 :  なるほどね。そういう視点を持って彼の言動を観察すると、また印象が変わってくるかもね。それで、まずは親を超えなさい!なんだけど、まさに、親つまり成長過程で無意識に構築されてきた考え方は、その人が何を見るかということを決めてしまうから、その見方が現在から未来の行動を縛ってしまうという話。

なぜ縛られてしまうかというと、人が視覚にしろ聴覚にしろ外界から情報を受けると一度脳内で処理して、その情報全体から何を受け取ったことにするかということが決まるんだけど、その処理のために使うフィルターは今まで構築されてきた考え方に左右されるんだよね。だから、多くの人は過去からの考え方を延長した線上でしか生きることができない。それを脱するためには、未来に目標を定めてその目標をリアルに感じることで普段の生活から見える情報を変えていきましょうというような内容だったね。

涼子 :  へ〜。彼の著作にはスコトーマ(盲点)とかホメオスタシス(恒常性)とかコンフォートゾーンなどなど横文字が多く出てくるけどあえて使わなかったわね。

新一 :  そうだね。限られたスペースで説明しようとすると分かりづらい言葉は少し使いにくくなるんだけど、それはそうと彼の使う横文字はいくつか心理学用語が入っているよね。丁度、ヒルガードの心理学があるから調べてみると何か分かることがあるかも。

〜 ページをめくる 〜

新一 :  調べていて面白いページがあったんだけど見てみる?

涼子 :  うん、どれどれ。なるほど、「親は子供の発達にどれほどの影響があるのか」というテーマに4ページ割いてて、「親は子どもの人格や知能にほとんど影響を及ぼさない」という見解と「間違いなく親の影響は大きい」という見解で真反対の主張がなされているわね。特に前者の見解は「まずは親を超えなさい」というメッセージに部分的に反するものでもあるわね。

どうやらまずは親を超えなさい!のAmazonページを見ると、この題名の根拠は「発達心理学のデータで成人が大人になってから、無意識に下す判断のうちの八割九割が親の物真似だといわれているから」らしいけどどこから引っ張ってきたデータなのか気になるわね。もっとも、仮に「親は子どもの人格や知能にほとんど影響を及ぼさない」という主張が真だとしてもこの本の方法論まで否定されたわけでもないのだけれど。

子育ての大誤解―子どもの性格を決定するものは何か
amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る


新一 :  あー、この「親は子どもの人格や知能にほとんど影響を及ぼさない」という主張を書いた人はジュディス・リッチ ハリスさんか。この人の著書は子育ての大誤解が有名だね。それにしても、今Amazonで価格を調べてみたら絶版でヒルガードの心理学レベルに価格が高騰していて笑ってしまったよ。この本も、手に入れるなら英語版になるね。

涼子 :  そうね。電子書籍がもっと一般的になったらこの辺りの本は復活するのかしらね。

〜 つづく 〜


新一と涼子の読書談話 プロローグ

posted in 15:04 2010年11月03日 by 涼微
Comments(0) TrackBack(0)   読書談話  このBlogのトップへ 前の記事 次の記事
新一と涼子の読書談話はこちらに移転しました

篠原新一はとある大学の学生だ。彼は読書が好きでジャンルを問わず様々な本を読む。彼は安くて面白そうな古本があればついつい買ってしまうので、家には現在約1000冊ほどの本を所蔵していて、さらに日々、ぼちぼちのペースで増え続けている。しかし、その多くはまだ手つかずの状態なので、暇があれば消化していきたいと考えている。

そんな彼には本について語り合える読書仲間がいる。水越涼子という、ひょんなことで知り合った女学生だ。彼女はよく図書館にいてよく本を読んでいる。だからその知識量もなかなかのもので、蔵書数では新一にまけているものの、同水準に様々な事柄について語りあうことができる。

この読書談話は、二人が読んだ本についての対話を軸に展開されていく。ジャンルは様々、内容は固いものから柔らかいものまで、そして時には読書以外の事柄について話すこともあるけれど、ほんの少し足を止めてお付き合いしていただけたら幸いである。

サイト内検索
トラックワード
あわせて読みたい


フィギュア動画