経営学入門 上 日経文庫/榊原 清則 (1)

posted in 01:33 2007年08月18日 by 涼微
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授業発表用に作成したので公開してみる。

※経営学入門といっても組織論と戦略論だけであり、さらに当記事は本書の中でも基礎的な内容の編集に終始しているので、より深く経営学を知りたい人は本書を買ってみるのもよし、それぞれの専門書を当たってみるのもよしである。


経営学とは何か

企業とは

 

 経営学とは、「企業」という領域を特定して対象世界へと接近していく「領域学」です。では、そもそも企業とは何なのでしょうか。「企業」は「業を企てる」と書きます。そして、「業」という言葉は「生活の中心を支える仕事」の意味を持ちます。つまり、企業と言うのは、そういった生活に無くてはならない仕事を企てる事業体であると言えます。また、「企業」はビジネス・サイクルを無限に反復する「無限持続体(ゴーイングコンサーン)であるところに今日の企業の本質的な特徴があります。このような特徴を備えた企業の存在感は今や圧倒的なので、個人の意思などは無関係に思える程です。しかし、それでも企業がもともと個人の夢や野心を実現する社会的手段として創案されたものである事は疑いようの無い事実です。

ところで、経営学には大きく分けて二つの要素があり、それぞれ「組織論」と「戦略論」と言います。ここでは、まずそれぞれの簡単な定義を見いきましょう。

 

組織理論

 

 経営学の対象である企業は、組織あるいは組織体の一種です。ここで組織とは、意識的に調整された複数の人間の活動の集合体を意味します。それは、一定の境界を持ち、共通目的の遂行を目指します。こうした組織の定義としては第一に複数の人間が含まれる事、第二に組織は意識的に調整された複数の人間の活動である事、第三に組織を構成するメンバーがいる事、第四に組織には目標や目的が存在する事が挙げられます。

  さて、組織は意識的に調整された人間活動の集合体なので、組織のメンバー一人ひとりには、その組織の中で行うべき仕事があります。その仕事がどう関係付けられているか、つまりタスク相互の関係のあり方と、人間関係の調整のためのメカニズムの二つを総称して組織構造と呼びます。また、目的遂行のために組織構造を一定のかたちに特定化したり、既存の組織構造を改変したりする事を組織デザインと呼びます。そして、組織構造と組織デザインを研究する学問領域を、われわれは組織理論と呼ぶのです。

 しかし、組織に関する研究は、ここで述べた組織理論だけではありません。一般に組織研究には大きく二つの流れがあります。第一は、組織を構成しているメンバーの行動に直接的に焦点を当て、個人行動及び小集団に固有の現象に関心を寄せる研究であり、組織行動論と呼ばれています。またこれを組織のミクロ理論と呼ぶ場合もあります。第二に、メンバーの行動を直接的に取り上げるのではなく、社会集団としての組織の構造やデザインを全体として議論する研究です。これをマクロ理論と呼ぶ事もあります。このミクロ理論とマクロ理論は後の記事で紹介します。

  ところで、なぜ組織を研究する必要があるのでしょうか。その問いに対する答えは第一に、われわれの社会のあらゆる部面に組織現象が浸透しているからです。そして、組織に関する現象はこの様に誰にとってもきわめて日常的でありふれたものなので、自分の経験に根差す直感的な説明や仮説をだれしも持っているものです。その様な素朴で直感的な仮説を科学的・体系的に構築された命題に置き換えること、それが組織研究の第二の意義です。そして第三に、世の中の多くの人はなにか自分の目的遂行のために組織を利用したいと考えている事でしょう。その場合、既存の組織の活用を図る人もいれば、新しい組織を自ら創ろうとする人もいるでしょう。いずれの場合にせよ、そういった人々にとって組織研究は現実的に有用な知見を提供する事が出来るので、その意味でも組織研究には意味があるといえます。

 

戦略論  

 

 経済組織である企業にとってその存続・成長のための条件は二つあり、第一は、社会的ニーズの高い財・サービスを提供できるかどうか、つまり有効性に関わる条件であり、第二は、財・サービスの提供に際してそれに要する費用を上回るより大きな収入を獲得出来るか、つまり効率性に関わる条件です。直感的に言えば、有効性は「何を作ったら良いか」にかかわり組織の外的努力を必要とし、効率性は「いかに作ったらよいか」にかかわり組織の内的努力を必要とします。組織が存続し成長するためには内的努力も外的努力も必要なのです。

  さて、上記のように仮に組織の存続と成長とって有効性と効率性が重要であるとするならば、その双方を維持し高める意思決定が必要だという事になります。このような、有効性と効率性に関わる組織の基本的意思決定を、戦略と呼びます。戦略とは、組織の基本的な活動の内容と範囲、経営資源の獲得・蓄積・配分、業務の構造とその基本的進め方、競争上の位置づけ(ポジショニング)等々を長期的視点から規定する特定の意思決定です。この様な組織がその目標や目的、標的を達成するために行う基本的意思決定である戦略の主な内容は、.疋瓮ぅ鸚鑪―環境との相互作用をどういう範囲で行うか ∋餮酸鑪― 独自能力としての経営資源をいかに獲得・蓄積・配分するか、6チ萓鑪―競合者に対してどういう独自ポジションを展開するかの三つです。この三つは後の記事で詳しく紹介します。

 また戦略には階層上下の分類もまた重要です。組織の戦略は、()全社戦略 ()事業戦略 ()機能分野別戦略の三つの階層レベルに分けるのが適当です。全社戦略においては、多数の事業部門をまとめる必要があるため「われわれはいかなる事業集合であるべきか」という問いかけに答える答えが重要なのでドメイン戦略が重要になります。事業戦略においては、特定の産業ないし製品/市場セグメントでどのような独自能力を構築し、いかに競争するかに焦点が当てられるので資源戦略と競争戦略が重要です。機能分野別戦略においては資源生産性の極大化を通じた独自能力の構築が焦点であるので資源戦略が必要です。以上のように、戦略の内容は階層別に分けて考える事が重要ですが、組織の存続・成長のためにはこれらの戦略は互いに調和し、整合的で一貫したパターンを形成していなければなりません。

 

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