ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論/立花 隆

posted in 16:30 2007年01月24日 by 涼微
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採点

85点

項目

1 知的好奇心のすすめ
  知的好奇心のすすめ
2 私の読書論
  「人類の知の総体」への挑戦
  体験的独学の方法 ほか
3 私の書斎・仕事場論
  わが要塞
  書庫新築 ほか
4 ぼくはこんな本を読んできた
  ぼくはこんな本を読んできた
  僕の読書を顧みる―中学生・橘隆志少年の読書記録 ほか
5 私の読書日記
  私の「書評」論「私の読書日記」まえがきにかえて
  私の読書日記 

読んだ動機

読書の質を高めようと思ったから 

こんな人にお勧め

1、自分の読書法に疑問を感じている人
2、知識の得方を深く知りたい人

内容のレベル     

         8

立花式読書論

この本を読むまでは、立花氏のことはあまり知らなかったのだが、この本を一冊を読んだだけで一気に尊敬に値する人物になった。では、読書家としてどんな点が凄い!と思ったか章の概要をを追いながら見ていくことにしよう。

1章 知的好奇心のすすめ

この章は、知識を持つ意味や「知的好奇心」言い換えると、「知的欲求」について言及していた。 何かアウトプットの作業をするのは、膨大なインプットによって形成される、また、どんな仕事をするにしても先に情報をインプットしておかないと話にならないという。

それはもっともで、私の場合いまいちインプットが足りないから、なんとも稚拙な文になっている気がしてならない。だから、これからインプットを効率よく増やす方法を身に付け、またインプットの時間をより取らないと、これから質の高い文を書いたり、ひいてはある種の質の高い生活を送れないのではないかと思われた。

また、知的欲求を生物が繁栄するための必要不可欠な欲求の一種とし、どの生物も持っている欲求だとしているところには目が開かれる思いであった。というのも、個体維持の「食欲」と種族維持の「性欲」と文明発展の「知識欲」をある程度同等の物と捉える事は、なぜ主に性欲に走る人間と、主に知識欲に走る人間がいるのかを不確実だが説明している気がして少し気分が晴れたような気になったからである。

2章 私の読書論

この章は、読書離れの原因や読書の意義について言及していた。読書離れの主な原因は簡単に言うと映像メディアが発達して、それより下位と見なされる文字のみの本はどうしても衰退するしかないというものだった。この論を書いているところを読んでいる時、文字とは違い映像やリアリティ(現実)は実態に基づいているという正論を聞かされ、読書好きなことをなんとも否定されている気分だった。

しかし、それは確かに正論であり、また、この章の後ろのほうで、本を読む事で手軽に情報を入手できるので若いうちに読んどいた方がいいと書いてあったりして、読んでる最中は、読書を肯定してるのか否定しているのかいまいち分からなかったが、読了後おそらく小説といった仮想現実や、現実に体験した方がリアリティがあるノンフィクションはあまり読まなくて良いが、本で情報を入手するのが手っ取り早い(今はインターネットが普及しているが…)学術的な物は本の方が良いということかな。まぁそれでもわたしはいろんなジャンルを読む姿勢は変えまい。

もう一つ書き手の質が悪いから衰退していると言っていたが、少なくともわたしより文字を書いている方の判断はしかねるものであるので言及はよしとこう。 

3章 私の書斎・仕事場論

この章は立花氏が膨大な数の本を持っていて、その本を保管するのにいろいろ苦労しましたといった内容である。立花ファンは必見の章であろう。(ファンじゃなくても普通におもしろかったが。)

4章 ぼくはこんな本を読んできた

この章は前半は某記者との対談、後半は立花氏の小・中学校の文集と続き、締めは文藝春秋退任の辞となっていた。その中でも圧巻なのが中学生にして日本・世界の主要な書き物はほとんど読みつくしている点である。両親が文学に精通していたのがその主因らしいが、わたしも幼い頃から本に接する環境があって、その頃から本を読みまくってたら、どれほど今の状況と違うことだろうと思うのも一度や二度のことではないし、読書好きな方もそう思うときもあるでしょう。

5章 私の読書日記

この章は、「週刊文春」社で連載した「私の読書日記」の内容を1993年頃の本を中心に紹介していた。いろいろなジャンルの本に手を出していて、なかなか参考になった。

読後感

本書で一番心に残った言葉は「今はスペシャリスト(専門性)の時代だが、私はゼネラリスト(全体性)の方が性に合っている」みたいな内容の言葉だ。というのも、わたしもどうもある特定の分野に絞るよりも、全体的な見方をするほうが好きだからである。もちろんその為には氏の様な膨大な知識に裏打ちされないとやっていけないのだろう。だから、わたしも今日から様々なジャンルの本を、よりいっそう読んでいこうと決意させられた本書であった。

あとがき

なんだか当記事は、書評というより感想文みたいな感じになってますね。ちょっと主観が混じりすぎだなこれは。まぁ、それほど衝撃的な部分が多々あった一冊という事で、読書好きな人でまだ読んでない人は一読どうぞ。

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1. 19970410 立花隆 『ぼくはこんな本を読んできた』  [ 田 原 書 店 外 伝 ]   2007年01月25日 09:08
立花隆 『ぼくはこんな本を読んできた』  「ポルケ・ブック・レビュー http:
2. 「ぼくはこんな本を読んできた」立花 隆 文藝春秋  [ 叡智の禁書図書館 ]   2007年01月25日 17:26
本書は田中角栄氏の金脈問題で名を馳せた立花氏が仕事に関連して読む本について書かれたものである。まず、私自身の偏見として立花氏のことを好意的に見ていないのを述べておくべきでしょう。あちこちで名前を見るものの、特に専門もなく良くも悪くもジャーナリスティック....

この記事へのコメント

1. Posted by 涼微   2007年01月25日 09:16
田原書店外伝 様

トラックバック有り難う御座いますm(__)m

今後ともよろしくお願い致します。
2. Posted by alice-room   2007年01月25日 17:32
私の方からもTBさせて頂きました。うちのブログまでご紹介頂き、有り難うございます。

でも、本書を読むことで気付かされることって本当に多かったように思います。いろいろな意味で刺激を受けました。これからも宜しくお願いします。
3. Posted by 涼微   2007年01月25日 20:06
コメント&トラックバック有り難う御座いますm(__)m

alice-roomさんは立花氏の事をあまり好きではないようですね (笑

わたしは立花氏の事を良く知らなかったのですが、

要するに、好意的じゃなくても感銘を受ける本を書く立花氏はやっぱり凄い人なのでしょうね。

ということで、今後ともよろしくお願いしますm(__)m

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