2010年12月

怒り、イラつきをコントロールする [書評] アンガー・マネジメント

posted in 23:32 2010年12月10日 by 涼微
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人が怒り、苛ついてしまうことはしょうがないこととして、それを上手く制御する方法はないものか、そんなことを昨日のTwtterの発言を元に考えていると、そういえばこの本を持っていたことを思い出したので読んでみることにした。以下、初めに怒りについての分析から。

まずは、同じ「出来事」に対してでも置かれている状況が違えば、人はまったく違う感情をもつことができる。ここから、人を怒らせているものの正体は「出来事」それ自身ではなく、その人自身の考え方、つまりその出来事に対して自分の確たる基準(コアビリーフ)と照らし合わせてどういう意味づけを行ったかにあるといえる。

一つの事柄に対して、いろいろな人がそれぞれの立場から自分の基準を優先させようとするとそれは衝突となる。自分が「当然」と思っている考えが相手と対立したとき苛つきが生まれるのは誰しも経験があるだろう。そこで、この怒りをどのようにすれば上手く制御・活用できるようになるのか、それがアンガーマネジメントの本題になってくる。

アンガーマネジメントでは、上記で述べた自分の確たる基準(コアビリーフ)を把握することが大切になる。これを把握することでなぜ自分が苛つきをおぼえているのか分析できるようになる。そして、この基準を把握することで可能になる「認識の修正」ともう一つ「行動の修正」こそがアンガーマネジメントの肝である。

具体的な方法論については、その科学が成功を決めるを読んで以来、個人的にこの種の本を判断する際に基準としている「多くの人間にその方法論を実践して効果があるかどうか確かめたのか?」という部分の確信が持てないため、多くは本書に譲るとして、個人的にこれは参考になりそうだなと思った部分を挙げるとすると、怒りを感じた際にその怒りについての出来事や考えたこと・行動・結果などの「アンガーログ」をとり、その後それらの怒りについて分析するという方法論に関する項目で、頭の中で考えるよりも紙に書いて視覚化した方が分析しやすいというのは確かにそうだろうと思う。例えばこのログをTwitterを利用してとり、そのログから自分の怒りの原因や癖について分析し、「認識と行動の修正」に役立てるというのはどうだろう。

本書の難点としては、ビジネス・実用書にはありがちだが統計的・科学的根拠が乏しいという点である。こういった根拠の乏しい本に対しては自分で実際に活用して効果があるかどうかが重要になるので、読んで終わりとしないように心掛けたい。

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